人工呼吸を続けながら
気管内チューブを
吸引をすることで
肺から出てくる水は
徐々に減ってきました。
送り込む酸素も
濃度を最大まで
上げました。
IVHからは、
1回目よりも大量の
強心剤が追加しました。
もっとも体力がいる
心臓マッサージは
救急隊がとどまってくれて
交代で続けました。
”彼を救いたい”
誰も声には
出しませんでしたが
思いは同じでした。
3度目の強心剤を
投与しました。
大量の強心剤の
空アンプルが
転がっています。
心臓の正常なリズム
(洞調律)回復の
確認のために
いったん
心臓マッサージの
手を止めました。
交代で心臓マッサージを
続けていた私たちの
額には汗があふれ、
髪は雨に打たれたように
濡れていました。
心電図に波が
数個現れましたが、
すぐに消えました。
外傷の若い人の場合、
心臓の筋肉自体は
傷つけられていないので
強心剤に反応して
痙攣の様な動きが
現れることがあります。
これが心室細動です。
心室細動になれば
除細動機の電気ショックで
正常リズムの
洞調律に戻せる
可能性が出てきます。
しかし、
十数アンプルにも及ぶ
強心剤の投与にも関わらず
心臓はかすかに
反応したのみで
洞調律にも、心室細動にも
なることはありませんでした。
望みをつなぐように、
その後も人工呼吸と
心臓マッサージが
続けられました。
(つづく)
ドクターズコラム | 2011.01.17.月曜日













